隣の先輩

「どうかしたの? いいことでもあった?」


「何もないよ」

「どうかしたの? いいことでもあった?」


「何もないよ」



 そんなことを言いながら、心は弾んでいた。


 西原さんか。どんな人なんだろう。


 私は自分の部屋に戻ると、鞄を置き、制服を脱ぐことにした。


 ちょうど私の部屋の壁の向こうが、西原さんの家だ。


 彼が隣に住んでいるんだと思うと、別に向こうから私の部屋が見えるわけでもないのに、なんだか恥ずかしかった。


 簡単に着れる白のワンピースに着替えると、リビングに戻る。


 母親は相変わらず料理の準備をしていた。


 ただ、西原さんに関することを知りたくて、母親に問いかける。