そのとき、玄関が開く。入ってきたのは母親だった。
「あ、起きていたの?」
そう抜けた声を出したのは母親。
彼女の手にはスーパーのビニール袋とケーキの箱が握られていた。
「買い物?」
「お菓子を買いに行っていたのよ」
というかお母さんだって知っていたなら、先輩が来たことを教えてくれればよかったのに。
母親は手際よく準備をしていた。
オレンジジュースを二人分に苺ショートを二つを浅いお皿に載せ、お盆に置く。
「これ、裕樹の部屋まで運んでくれる?」
「分かった」
私は裕樹の部屋の前に行くと、ノックした。
裕樹が扉を開けるんだろうと思っていたけど、扉を開けたのは私よりも背丈の高い人。



