隣の先輩

 はっきりいって余計なお世話だよね。後輩でしかない私にそんなことをされて。


 そんな話をしている間に家に着く。


「もし、できることがあったら協力するから」


 よっぽど暗い顔をしていたんだろう。森谷君はそう言ってくれた。

 家に帰っても気分は晴れなかった。夜の九時過ぎに私の携帯が鳴る。


 ベッドに倒れたまま、携帯をつかむ。


 そこに表示された名前を見て、思わず起き上がる。


 通話ボタンを押すと、耳に当てる。


「もしもし?」

「ベランダに出てこれる?」


 今日は先輩の顔を見る気にならなかった。


 でも、断ることもできない。いろいろと中途半端な気分だった。


 窓をあけると、すっかり夏の風が部屋の中に飛び込んできた。