その仕草を見て、彼女は気づいているんだと感じとる。
私が先輩に聞かれていいか分からない話をしようとしていることに。
この人が先輩の好きな人だったら、やっぱり敵わないと思ってしまっていた。
私は靴箱で靴を履き替え、深呼吸をする。
もう昇降口に宮脇先輩の姿があった。
私は心臓の高鳴りを感じながら、彼女に問いかける。
「手、怪我をしたんですか?」
彼女は表情一つ変えることなく笑顔で応じていた。
「ちょっと転んでね。私、かなりドジでね何もないところで転んだりするのよ」
「あの私にバレーボールが当たりそうになったとき、怪我をしたんじゃないんですか?」
「え?」
一瞬、宮脇先輩の顔が引きつっていた。



