「でも、昨年もほぼ同じメンバーでいいところに行ったし、今年こそはいけそうな気がするんだよな。賢もいるし」
私はその言葉を聞いて、思わず笑っていた。
「それ、愛理もクラスメイトから言われていましたよ。
愛理がいるからいいところまで行けるかもって」
「二人して運動得意だからな」
そのとき、違和感を覚える。
この学校の体育祭は九月。だから、先輩は愛理のことを知る機会ってあったのかな。
私の心を見透かしたように先輩は口を開く。
「妹と中学一緒だったから。一応顔見知り。中学のときは話をしたことはほとんどなかったけど、最近はたまに話をするよ」