階段をおりかけた先輩が足をとめる。


 そして鞄から何かを取り出した。


「これやるよ」



 先輩が差し出したのは飴玉。個別包装されているものだった。


 ジュースで飲むと酸っぱいグレープフルーツ。


 でも、飴玉だと甘く加工されているものが多い。


「ありがとうございます」


 私が先輩の視線を感じ、顔をあげた。西原先輩が私を見ていた。


 私は子ども扱いされているんだろうな。


 見た目も幼いし、否定はしないけど。



 先輩と話をしながら学校を出た。