隣の先輩

 私は階段の上から下を覗き込む。


 宮脇先輩が足を止めた。つられるようにして先輩も足を止める。


「稜」


 さっきまでとは違う宮脇先輩の真剣な声が響いていた。


「何?」




「もし、球技大会で優勝したらデートしてくれない?」

「デートって」


 先輩の困ったような声が聞こえてきた。



 その言葉にほっとしている自分がすごく嫌だった。


 もし、自分が先輩をデートに誘って、その話を誰かに聞かれていて、そう思われていたらすごく嫌なのに。