隣の先輩

 彼女は自分の住んでいる場所を教えてくれた。


 でも住所や目印を聞いてもぴんとこなかった。


 そんな私の状況が分かったのか、彼女は私がやってきたのとは逆方向を指差していた。


「あっちのほう」


 私が自分の住んでいるマンションの名前を告げると、咲は大まかな場所の見当がついたのかうなずいていた。


「じゃ、逆方向だね」


「そうなんだ」


 折角できた友達なので、家も近かったらと思ったが、そんなわけにもいかないみたいだ。


 私たちが門をくぐって学校の外に出ようとしたとき、目の前を桜の花びらが目の前を漂っていた。


 その桜の花びらの先に、先ほど見たばかりの姿を見つける。