隣の先輩

「先輩って何でも思ったまま行動するんですね」


 最大限の嫌味を込めてそう言う。


「これでもいろいろ考えて行動しているつもりだけど」

「考えてないと思いますよ」

「そっかな。そう言うなら応援に行こうかな」



「やめてください」

 私を見て、先輩は笑っていた。からかわれたのか、本気なのか分からない。


 階段をあがると、それぞれの教室に向かう。




 教室に向かいかけた私の手を先輩がつかんだ。


「今日、一緒に帰ろう。母さんがお前に渡したいものがあるって言っていたから」



 先輩からそう誘われたのは久しぶりだった。


 きっとお母さんに頼まれたんだろう。でも、嬉しいことは嬉しいから。


「いいですよ」