隣の先輩

 二人は言葉を交わし、帰って行く。


「私たちも帰ろうか」


 そう言ったのは愛理だった。


「でも、依田先輩はいいの?」

「子供じゃないんだし、勝手に理由つけて帰ってくるわよ」


 そう言うと、愛理は肩をすくめていた。


 私たちは途中まで一緒に行くと、別れる。


 前方は雨が降りしきっていて、視界も霞んでいた。


 先輩たちは足早に去っていったのか、その姿を見つけることはできなかった。

あの人に悪いことをしてしまったな。


 自分で声をかけることもできないくせに。