そう言った彼女の言葉に被せるように、依田先輩の言葉が響いていた。
「俺、ちょっとお前に用事があるんだけど。お前の家によっていい」
今日、愛理は外食するって言っていたのに。
それは兄である彼も変わらない。
そんなことを言っていいのだろうか。
でも、私の心配をよそに、話は進んでいく。
「いいよ。ついでに傘に入れてくれない? 忘れちゃってさ」
「いいよ。じゃあね」
依田先輩はそう言うと、山田と呼んでいた彼女に挨拶をした。
彼女はまさか急に話を奪われると思っていなかったのだろう。
唖然とした表情で依田先輩と西原先輩を見ていた。



