隣の先輩

 それは依田先輩の声だった。


 西原先輩も、宮脇先輩も振り返る。


 依田先輩は少し遅れて階段から出てきた。


 そして、三人で話をしていた。

 教室の中で話をしてくれればいいのに。


 このままじゃ出て行けない。


 こんなことなら最初の段階で出て行っていればよかった。



 タイミングを見計っていて、そのタイミングを見逃してしまっていた。


「どうしよう」

「何が?」


 背後から声が聞こえる。


 立っていたのは森谷君だった。


「あ、何でもない」