隣の先輩

 私は気まぐれで階段を下りていったせいで、迷惑をかけてしまったと分かったから素直に謝っていた。


「別にいいよ。俺も場所を決めていなかったのが悪かったし。帰ろうか」



 私はうなずくと、先輩と一緒に歩き出す。



 先輩の表情はいつもと変わらない気がした。


 どうして先輩は私に帰ろうと言ったんだろう。


 普通、好きな人の前でならそんなこと言うわけもない。


私が彼女と先輩の間を勘ぐっていたのはただの思い過ごしだったんだろうか。


 そこまでで考えるのを止めた。


 どうせ先輩にとっては深い意味はないんだろう。


 気にするだけばからしいのかもしれない。


 私たちが校舎の外に出る頃には、青かった空を赤いものが染めていた。