隣の先輩

 でも、先輩は私のそんな言葉に嫌な顔一つしなかった。


「命令」

「命令って、どうしてそんなこと」


 そのとき、私の口を塞がれた。


 私の顔の下半分を大きな手がすっぽりと覆い隠してしまっていた。


 私は頬や唇に触れている先輩の手の感触を感じ、息をすることもできなかった。


 できるだけ息を殺し先輩を見る。


「あまり騒ぐと追い出されるよ」


 先輩はそう言うと、苦笑いを浮かべている。


 そして、先輩は私の顔から手を離した。

 やっと手が離されて、解放されたけど、息をとめていたからか、酸欠なのかくらくらしていた。