隣の先輩

 彼女は持っていたペンケースを机の上に置く。


 私が本を見つけられなかったとでも思ったのかもしれない。


 本当はこの場から逃げ出して帰りたかった。


 でも、そんなわけにはいかないってことも分かっていた。


 彼女が本当に好意でそういってくれたと分かったから。


 私は宮脇先輩に本のタイトルを伝える。彼女はうなずくと、私を見る。


「少し待っていてね」


 彼女はそれだけを言い残すと、さっき私が向かおうとした本棚に向かっていた。


 私と西原先輩が宮脇先輩の座っていた場所に残されたような形になっていた。


 私は先輩の顔を見たくなくて、宮脇先輩の後を追った。

 もしかしたら先輩に嫌な子と思われたかもしれない。