隣の先輩

「別にいいですよ」


 それはそれで嫌かもしれない。あのとき感じた疎外感に似た気持ちを味わいたくなかった。


 しかし、先輩の態度は友達というわけではなくて、なんだか遊ばれているような気分になる。


 だから、ちょっと言い返したくなって、問い返していた。


「じゃあ、先輩はいるんですか? 好きな人」

 まともな答えが聞けることは期待していなかった。


 先輩は眉をひそめ、顔を背けていた。


「いるような、いないような」


「え?」


 そんな返事に驚いたのは私。


 どうせ、「いるわけない」とか、「教える必要はない」とか言われると思っていたからだ。


「同じクラスの人?」