隣の先輩

 私は突然のことに驚いて、変な声を出していた。


 そして、その押された部分を両手で隠していた。


「あ、やっぱりお前相手じゃダメだよなあ。全然緊張しない」


「当たり前です。好きな人なんだから」


 そう大きな声を思わず出していた。


 まだ誰もいない時間帯なので、声だけが辺りに響き渡っていたことを感じ取る。


 顔が赤くなるのが分かった。


 誰かがそのことを聞いていなければいいと思うことしかできなかった。


 私は頬を膨らませると、階段を先に上る。

「先輩って最初は優しかったのに」


「あれは優しいってより、他人行儀なだけ。そっちのほうがいいなら、そうするけど」