さっきの会話を聞いていたのだろう。
「まあ、たまに」
一ヶ月の間に五人だったので、多いとは思うが、それは最初だからかもしれない。
「前原って友達?」
「先輩、入学式の日に会いましたよね」
「ああ、あの可愛い子」
顔だけは覚えていたのだろう。すんなりとそんな言葉が出てきた。
「そう。前原咲さん」
先輩はそんなに興味がなさそうな顔をしていた。
私は今まで人を好きになったこととかなかった。
でも、先輩は私より大人だから、好きな人だけではなく彼女とかも普通にいたのかもしれない。
もしかすると、今もいたりするのかもしれない。
私は先輩のそうしたことって何も知らない。



