隣の先輩

 まだ高校に入って二ヶ月しか経っていないのに、つきあっている人もいたりする。


 そういう人たちを見ていると、なんだかすごいなと素直に思ってしまっていた。

 私には特に好きな人がいなかったから、余計にそう思ってしまったのかもしれない。


 私が靴を履き替え、教室に戻ろうとしたとき、靴箱のところに人影を見つける。


 顔を覗かせると、先輩の姿があった。


「おはようございます」

「おはよ。さっき、偶然姿を見かけたから」


 先輩はそう言うと、欠伸をかみ殺す。その瞳には涙が浮かんでいた。


 私たちは教室に向かうことにした。


 階段の途中で先輩は思い出したようにつぶやく。



「しかし、お前も大変だな。あんなことよくあるのか?」