隣の先輩

「それを履いてもいいよ。まだ綺麗だから素足でも平気だと思うけど」


 私はサンダルに足を通すと、リビングから外に出る。


 私の視界を邪魔していたあの壁がなくなり、空が一気に開けたような気がしていた。


 目の前には紫色とオレンジ色をかね合わせた空が広がっている。


 少し幻想的で、どこか切なくて、それでいて優しい感じの空だった。


「綺麗」

「お前って毎日楽しそうだよな」


 いつの間にか傍にいた先輩からそんなことを言われる。


「どうしてですか?」

「なんかそんな感じするから」


 そう言うと、優しい笑みを浮かべていた。


 どんな感じなんだろう。先輩は時々変なことを言い出す。