隣の先輩

「お邪魔します」

 そう小さい声で言うと、扉を開けた。自分の家と同じ素材でできているとは思えないほど、特別な扉に触っている気がした。


 玄関先にはサンダルや、革靴などがあった。先輩のお父さんのものだろうか。


 別に足音を立てて入ってきても問題がないはずなのに、足音を殺して、家の中に入っていく。


 とりあえずリビングの扉を開ける。そして、そこから覗いているベランダまで行く。


 ベランダへ繋がる扉の鍵は開いているみたいだったので、できるだけ音を立てないようにゆっくりとあけた。
 開けて顔を乗り出すと、先輩の姿がそこにある。


 彼は私に気づいたのだろう。目を細めると、窓のところを指す。


 そこにはサンダルが置いてある。