でも、先輩と違うのは寝起きがいいことなんだろう。 森谷君はすぐに立ち上がる。 しかし、最後に出た人は彼を起こしてあげればよかったのに。それほど心地よさそうに眠っていたんだろうか。 「眠いなら家に帰って眠ったほうがいいよ。でも、数学のプリントを出して帰るのを忘れないでね」 さっきの担任との会話を思い出して、彼に告げた。 「数学?」 森谷君は眉をひそめていた。彼は鞄からプリントを出した。そのプリントは半分以上白紙。