隣の先輩

 バッグの中から、キーホルダーを取り出すと、それを机の上に置いておくことにした。


 翌朝は昨日の雨が嘘ではないかと思うほど、澄んだ空だった。




 でも、昨日、雨が降っていたということを示すように、マンションの通路が部分的に濡れていた。



 エレベータを降り、マンションの外に出たとき、前方に見慣れた姿を見つける。


 今までだったら声をかけようか迷っていたかもしれない。


 でも、昨日の記憶が声をかけることを後押ししてくれた。




 私は先輩の傍まで駆け寄ると、声をかける。


「おはようございます」


 先輩は苦笑いを浮かべていた。


「朝っぱらから元気だな」