隣の先輩

 先輩は玄関まで見送ってくれて、「温めて寝ろよ」という保護者みたいなことを言っていた。

 家に帰ると、両親と裕樹の姿がリビングにある。




「今、帰ってきたの?」

「うん。まあ」


 さっきの出来事を話したくなくて、曖昧に答える。そして、自分の部屋に戻ることにした。


 部屋に入るとほっと息を吐く。

 今日は心臓がいつもの倍以上動いていたような気がする。


 なんとなく部屋にある全身を映す鏡を見ていた。


 さっきまで先輩に見られていたけど、おかしくなかったか気になったからだ。


 雨で洋服が寄れて、髪がぐちゃぐちゃになっていたけど、そこまでおかしいということはなかった。