隣の先輩

 マスコットのついたストラップを取ると、先輩に見せた。先輩はそんな私を見て、ただ笑っていた。


 そんな時間がすごく幸せで、胸の奥が温かくなるのが分かった。

 辺りに降っていた雨が弱くなる。私たちはその隙を見計らって、建物の外に出ることにした。


 そして、駅まで行く。駅は同じタイミングを見計らっていたのか、多くの人で溢れている。



 入ってきた電車が止まると、待っている人たちも中に入る。



 でも、思ったより人が少なかったのか、座ることはできなかったが、立っている分には窮屈に感じなかった。


「今日は結局、半日しか回れなかったな」


 先輩の髪の毛には少しだけ水滴がついていて、キラキラと輝いていた。


 また行きましょう、と言おうとして、言葉を飲み込む。


 今日は先輩が優しくしてくれた。