隣の先輩

 思わず変な声を出して、その場に倒れそうになる。


「ちょっと、大丈夫か?」

 先輩は私の体を支えてくれていた。


「作り物でそんなに怖がらなくてもいいのに」

「でも、心臓が」

「とりあえず外に出なきゃな」


 先輩は前方を見ている。でも、真っ暗で、先が全く見えない。


「とりあえず立てる?」


 私は何度もうなずく。


 そのとき、先輩が私の手を被せるように握った。


「行こうか」


 私が必要以上に怖がっているのに気づいて、怖がらせないためにそうしてくれたのだろう。

 さっきまで怖かった効果音や、仕掛けが不思議と気にならなくなっていた。