隣の先輩


 そして、咳き込んでしまった。


「大丈夫?」


 先輩の呆れたような気持ちが含まれていそうな声が聞こえてきた。


 顔をあげると、少しだけ呆れたような表情を浮かべている先輩の顔を見る。


 そして、うなずいていた。


「ゆっくり飲んでいいよ。気にしないで」


 私が慌てて飲もうとしたことに気づいていたのだろう。そう優しく囁いていた。


 胸の奥がじんわりと温かくなってきて、直視できなくなっていた。


 恥ずかしかったからなのか、別の気持ちがあったからなのか分からない。


 ただ、先輩の顔を直に見ることができなくなっていたのだ。