「今から疲れるから眠っておいたほうがよくないですか? 私が起きていますから」 「でも、折角来たのに」 「いいですよ。気にしないでください」 その話をしている間も、先輩は何度も欠伸をしていた。 「やっぱり少しだけ眠っていい?」 「いいですよ」 先輩は目を閉じて、窓に顔を寄せていた。 目を閉じた先輩の顔をちらっと見る。彼の睫毛は思ったより長いということに気づく。