でも、意外と苦痛には感じなかった。


 先輩と一緒にいられるからかもしれない。


 切符を買うとホームまで行く。


 そこに停まっていた電車に乗り込んだ。


 電車の中は比較的人が多い。


 時間が早いこともあって立っている人はいなかったが、見渡す限り席が埋まっていた。


 向かい側になる座席に座ろうとしたが、さすがにそういうわけにはいかない。


「ここ空いているみたいだよ」


 そう言うと、先輩は手招きした。そこは二人座席のところ。



 隣の席に座るんだ。そう意識するとドキドキしてきた。


 女の子の友達とならともかく、先輩と座るのは勇気がいる。