「! なにっ……?」

 メイソンは驚きに目を見開く。

「それで大体の事が解るだろう」

「まさか……裏切り?」

 唸るように発する。

「安直だが方法としては良い手だ。チェックを難なくすり抜ける」

 わざわざ他国の子どもを使う処も抜け目がない。

「……」

 この男は一体、何者なんだ? 見た目の若さでは、そこまで把握出来るような人物とは思えない……感心するように発した青年に、メイソンは慎重な視線を投げた。

「Sクラスの傭兵の中にあるはずだ」

 相手の考えを察したようにニヤリと笑みを浮かべ、輝きを無くさないエメラルドの瞳が彼らを見つめる。