「じゃあ、俺、そろそろ行くから、明日、感想聞かせろよ!」 奈良坂君の声を合図に、新田君たちが席を離れる音がして…… 「明日香、行くぞ」 奈良坂君に声をかけられた。 ビクッとして顔を上げると、奈良坂君が斜め後ろに立っていた。 「え、あ、はい!」 私は慌てて筆記用具を持って立ち上がった。 スタスタと歩き始めた奈良坂君のあとを私は小走りで追った。