「……そ、そっか、わかった。 じゃあ、読み終えたら一緒に図書室行こう!」 うん、大丈夫。 普通に言えた。 「よろしく」 そのとき、電車が奈良坂君の降りる駅に着いた。 「じゃ」 「うん、またね」 降りていく奈良坂君に私はひきつり気味の笑顔で手を振った。 そのままホームを歩いていく奈良坂君を見送り、 奈良坂君が見えなくなってから、私は大きく息を吐いた。