「あ、これ?」 私は文庫のカバーをはずして表紙を見せた。 「ふうん、それ、面白い?」 聞かれて、私は頷いた。 「うん、まだ読み始めたばかりだけど、面白いよ」 すると、奈良坂君は続けて言った。 「読み終わったら貸して?」 「え、これを?」 私が聞くと奈良坂君は頷いた。 私は戸惑いながら答えた。