「ま、お互い様だからな……」 「は?」 なにがお互い様? 不思議に思ってしげしげと奈良坂君の顔を見た。 すると、ポツンとつぶやいた。 「文学少女」 「え?」 何のことかわからずに聞き返したけど、 奈良坂君は「いや、なんでもない」と話を変えた。 「本、なに読んでんの?」