「奈良坂、ちょっと」 「んだよ、俺急ぐんだけど」 しかし、俺の話を聞かないこいつは俺の袖をつかみ、階段の踊り場に引っぱって行った。 「なんだよ」 「文化祭委員やるのはいいけど、栞に仕事、押し付けないでよ」 「最初の委員会もまだなのに、押し付けるもなにもねーだろ」 俺が反論すると、菊地は俺を睨みつけてきた。 「いいから。 約束して。 ちゃんと仕事しなさいよ!」