不安になった瞬間、くるりと向きを変えさせられ、奈良坂君が私の目を覗き込んできた。 うわっ、近い! ってか、怒ってる!? でも、なんで? おびえて奈良坂君を見つめ返すと、至近距離で聞かれた。 「この前のデートの時、約束したこと、忘れた?」 ……言われて思い出した。 「あっ、あの、ごめん……」 思わず視線をそらすと、くっつきそうなほどに顔を寄せて奈良坂君が囁いた。 「思い出した? じゃあ、ペナルティも覚えてるよな?」 「あ、うん……」 うなずいたとたん、いきなりチュッとキスされた。