「すごい……」 なんか、さっきから「すごい」しか言ってない気がするけど、それしか言葉が出てこない。 窓からは、キラキラと光り輝く東京の夜景が一望できた。 かなり遠くまで見渡せる。 うちはどっちの方向だろう…… そんなことを考えて立ち尽くしていると、 奈良坂君が後ろから私をふわっと抱きしめた。 「えっ、奈良坂くん……?」 振り返ろうとすると、私の耳元に奈良坂君が顔をうずめて囁いた。