「どうぞ」 奈良坂君に先を促され、私はおそるおそる部屋に足を踏み入れた。 もしかしたら、大勢友達がいて賑やかにパーティーしてるのかも、なんて思ったりもしたんだけど…… 部屋はしんと静まり返っていた。 奥に進むと…… 「えっ、すごい……」 窓際には私の背丈ほどのツリーが、金色のオーナメントをキラキラと光らせている。 そして、部屋のあちこちにアンティークっぽいソリに乗ったサンタや雪だるまの置物なんかが飾られていて、クリスマスムード満点。 でも、私が一番驚いたのは、その部屋の広さだった。