「ただ、カールからはそのとき以来、時々手紙が来るようになった。
今回の来日のことも少し前に手紙が来てたよ」
「そうなんだ……
それって、カール王子はまだ二人のこと、諦めてないってこと?」
「さあ。
どっちにしろ、俺もお袋もあの人の国に行く気はないよ」
「そっか……」
「あの人のことはもうこれくらいでいいだろ?
俺の親父はたまたまある国の王子だけど、俺は奈良坂大輔っていう日本人で、これからもそれは変わらない。
俺は俺だから」
堂々とそう言い切った奈良坂君がなんだか頼もしく思えて、私は笑顔で頷いた。
「うん!」


