「彼女だったのね、進さんのお子さんって」 俺はお袋の言葉に、頭を切り替えた。 「あ?ああ」 「驚いたわ。 私、前に彼女に会ってるの。 しかも、進さんと言い争ってるのを見られてたのよね」 「はあ?」 初耳だった。 俺は詳しく話を聞いた。 「……でね、栞さん、何か勘違いしているみたいだったから、彼の写真を見せておいたわ。 大輔の父親はこの人ですって。 それで納得したみたい。 いい機会だから、高部先生にも見せておいた。 ただ、二人には他言無用って口止めはしてあるから」