ノックの音で目が覚めた。 「大輔、入るわよ」 ドアが開くと同時に、俺はベッドで身を起こした。 「高部先生が、体調がいいようならやっておくようにってプリントを持ってきてくださったわ」 「あっそ。 机に置いといて」 まだぼんやりした頭でそう答えたが、続いたお袋のセリフで一気に目が覚めた。 「あと、明日香さんがノートのコピーを届けてくださったわ」 「あ?明日香?」 「ええ、明日香栞さん」