「お待たせ。 さあ、どうぞ」 紅茶とケーキを持って戻ってきた奈良坂君のお母さんに「どうも」とお礼を言った。 ソファに落ち着くと、奈良坂君のお母さんはいきなり私に聞いてきた。 「栞さん、あの日、私と進さんが言い争ってたの、聞いたでしょ?」 「えっ!?」 私は手にしていた紅茶をこぼしそうになりながらテーブルに戻した。 高部先生は紅茶を飲みながら、私と奈良坂君のお母さんお話を黙って聞いている。 「どこまで聞こえた?」 奈良坂君のお母さんに顔を覗かれ、私は固まった。