「そういえば、栞とはどうなった?」 課題がひと区切りつくと、高部センセーが思い出したように聞いてきた。 聞かれたくない質問だった。 だから知らん振りしてやった。 「おい、まさかまだコクってないとか言うなよ?」 呆れた声を出すセンセーを俺は無視した。 俺だって、そのつもりだったさ。 機会をうかがって告白するつもりだった。 なのに――