「そっか。 でもさ、うちの父がイギリスで奈良坂君のお母さんと知り合いだったなら、奈良坂君のお父さんのことも知ってるかもしれないよね?」 私が勢い込んでそう言うと、綾音は表情を曇らせた。 「うーん…… それよりさ、栞」 「うん?」 「いや、ううん、いいの……」 綾音はなんだか言いたいことがありそうな様子だったけど、口をつぐんでしまった。 なんだろ? でも、それより…… 私は自分の考えに思いをめぐらせた。