奈良坂君、様子がおかしかったな。 大丈夫かな。 私は不安な気持ちで登校した。 本鈴が鳴っても奈良坂君は来なかった。 まさか、どこかで倒れてたりしないよね? 1時間目の授業が始まった。 「奈良坂は休みか? 誰か連絡受けてるか?」 先生の言葉に、私はいてもたってもいられなくて手をあげた。 「あの、電車で会ったんですが、顔色が悪くて途中下車したんです。 もしかしたら、体調を崩したのかもしれません」