「やっぱり。
俺の同級生の父親で、留学先でお袋と知り合いになったってそいつに話したらしい」


『そう……
わかったわ。
夜、話しましょう』


俺は電話を切った。




胸の中がどす黒い雲でいっぱいになったような気分だった。


まさか、よりによって明日香の父親が……


くそっ!



俺は唇をかみしめ、ホームに入ってきた電車に向かった。