「え?だって、まだ降りる駅じゃないよ」 明日香に戸惑った声で呼び止められたが、俺は構わず電車を降りた。 窓越しに心配そうに俺を見る明日香を乗せた電車を見送り、俺は混雑を避けてホームの端に向かった。 ケータイを取り出して、お袋にかける。 『どうしたの?』 電話に出たお袋に、俺は単刀直入に聞いた。 「明日香進って人知ってる?」 『え?どうして大輔が進さんのこと?』 それだけで十分だった。