予鈴が鳴って、他の取り巻きの女子たちがいなくなると、 綾音も自分の席に戻っていった。 礼奈はひっきりなしに金髪王子に話しかけてるみたい。 私は前を向いたまま、聞き耳を立てた。 金髪王子は礼奈を無視して、前後の席の男子と喋っているようだった。 「へえ、田中って映画好きなんだ。俺この間あれ見たぜ……」 「新田はサッカー部だったよな?昨夜の日本代表の親善試合、すごかったよな……」 男子と話す金髪王子の声は、とても楽しそうだった。