すると、高部先生はバックミラー越しに私に笑いかけてくれた。 「栞は気にするな。 こんな邪魔者がいなけりゃ、もっといいんだがな」 し、栞って…… 高部先生みたいなイケメンに呼び捨てにされると、ちょっとドキドキしちゃう。 「フン」 奈良坂君はそんな戯言を言う高部先生から顔をそむけ、窓の外を見た。 あ、いけない、私ったら。 奈良坂君の前なのに…… でも、高部先生は奈良坂君を無視して私に話しかけてきた。