「センセーさ、来週の月曜か火曜の午後、暇?」 俺はカテキョの時間が終わって廊下に出るなり、高部センセーに聞いた。 「あ?まあ、暇っちゃあ、暇だが…… そんなに勉強したいのか?」 高部センセーは、俺がカテキョの時間を増やしたがってると思ったようだった。 そうじゃねぇよ。 「ちょっと野暮用で運転手が必要なんだ。 やってくんね?」 「はあ?」 「車はさ、お袋のを使っていいから、運転だけ。 夕方4時から、3時間くらい」